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ベンツパテントモトールヴァーゲン

2026年、メルセデス・ベンツは140周年という大きな節目を迎えました。1886年、カール・ベンツはガソリンエンジンを動力とする三輪自動車を完成させ、自動車という新しい移動手段を世に示しました。これが「自動車生誕」の瞬間となります。これは、単なる乗り物の発明ではなく、「動力を内蔵し、自ら走る」という思想の誕生でもありました。個人の意思で移動できる手段は、やがて都市構造や産業、生活様式そのものを変えていきます。自動車生誕と同時に、メルセデス・ベンツは自動車の枠を超え、社会を動かす存在として歩み始めます。本記事では、「パテントモトールヴァーゲン」、「メルセデス35PS」、「W108」、「アクティブセーフティ パッシブセーフティ」、「ABS」、「ESP」、「PRE-SAFE」、「インテリジェントドライブ」を中心に、長い歴史の中で積み重ねてきたメルセデス・ベンツの技術と革新について解説します。

  • 1886年 | 自動車生誕、世界を変えた一台。
  • メルセデス35PS|馬車から近代自動車へ、構造を定義した一台。
  • W108|Sクラスへと承継された、フラッグシップセダンの思想。
  • ベラ・バレニーの理論|アクティブセーフティと、パッシブセーフティ。
  • 世界初の実用化|アンチロック・ブレーキング・システム(ABS)。
  • 姿勢制御を再定義|エレクトロニック・スタビリティ・プログラム(ESP)。
  • 事故の前段階から守る技術|プリセーフ(PRE-SAFE)。
  • 進化し続けるクルマ|インテリジェントドライブ。

1886年1月29日、カール・ベンツが世界初となるガソリン自動車「ベンツパテントモトールヴァーゲン」の特許を取得したその日、人類の歴史における「移動」の意味は大きく書き換えられました。それまで馬車や人力、蒸気機関車等、移動は生き物や都市インフラに依存していましたが、この発明により、個人が自ら動力を所有し、時間や天候に左右されずに好きに移動することが可能になったのです。自動車産業はその後、鉄鋼業・ゴム産業(自動車部品)、石油産業(燃料)、道路建設(都市インフラ)、保険業(自動車保険)、金融業(自動車ローン)等の巨大な経済圏を生み出します。日本のGDP構造においても、自動車産業は基幹産業の一つで、自動車1台の生産が数万に及ぶ部品やサービスの需要、雇用や技術を生み出しています。

パテントモトールヴァーゲン

パテントモトールヴァーゲン(上)

メルセデス35PSは、自動車をそれまでの馬車の延長から完全に切り離した存在に変化させます。前置きエンジン、低重心、長いホイールベースという構成は、「走るための機械」としての自動車の基本形を初めて示しました。出力だけでなく、安定性と操縦性を重視した設計思想は、機能美を備えた近代自動車の基準、原型を完成させた決定的な一台と言えます。またこの一台のネーミングは、ダイムラーエンジン社と協力関係にあったエミール・イェリネックの娘「メルセデス・イェリネック」の名に由来しており、「メルセデス」の名前を冠した初めてのモデルでもあります。初のメルセデス車である35PSは、1901年、ニースのレースにて圧倒的な勝利を収め「メルセデス」の名を世に知らしめます。その後、ダイムラーにより商標登録され、「メルセデス」は車両名に用いられるようになりました。

メルセデス35PS

メルセデス35PS(上)

現在のセダンの基準を形にしたモデル180(W120)は、「ポントン」と呼ばれるフェンダーとボディを一体化したスリーボックスデザインを初採用し、快適性、静寂性、信頼性を高い次元で統合することで、セダンが備えるべき基準を明確にしたモデルでした。1965年に発表されたW108は、更にそれらを高い水準でまとめ上げ、後に「Sクラス」と呼ばれる価値観の原型を形づくりました。余裕ある動力性能と安定した乗り味は、移動を単なる手段から上質な時間へと変えていきます。W108の後継であるW116から「Sクラス」の名が用いられるようになります。2代目SクラスであるW126は、その完成度の高さによって世界中で一世を風靡し、フラッグシップセダンの基準を確立します。性能や装備を誇示するのではなく、安全性、快適性、走行性能、佇まいまでを高次元で調和させたモデルです。

W108

W108(上)

メルセデス180(W120)

メルセデス180(W120)(上)

W126

W126(上)

メルセデスのセーフティ研究開発部門の中に、ベラ・バレニーという中心人物がいました。彼は、“衝突を前提に乗員を守る”という発想を自動車設計に持ち込みます。車体を意図的に変形させ、キャビンを保護する受動安全の理論を確立するとともに、アクティブセーフティ(事故予防)とパッシブセーフティ(乗員保護)という概念を初めて定義。今日のメルセデス安全技術の出発点ともなっています。彼が世に送りだした技術の代表格に、「クラッシャブルゾーン」があります。衝突時に車体を計画的に変形させ、乗員空間を守るという技術で、従来の“強さで守る”とは正反対のこの発想は、自動車安全の考え方を根本から変化させました。また、彼は、クラッシャブルゾーンに、乗員を守る高剛性キャビン、シートベルト等の拘束装置を組み合わせた三重安全構造を提唱し、単一の装置に頼らず、構造と空間を連動させて安全性を高めることを重要視してきました。

オフセットクラッシュテスト

オフセットクラッシュテスト(上)

ベラ・バレニー

ベラ・バレニー(上/中央)

クラッシュテスト

クラッシュテスト(上)

メルセデスが世界に先駆けて1978年に実用化したアンチロック・ブレーキング・システム(ABS)は、各車輪の回転スピードやロックの兆候を検知し、ブレーキ油圧を瞬時に制御することで、ブレーキング時の車輪のロックを防ぎます。これにより、フルブレーキング時でも安全な減速とステアリング操作を可能としました。強い制動下でも減速と操舵性を失わないという新しい安全基準を示し、世界の自動車の安全基準となります。それまでの自動車は、「強く踏む=危険」であり、運転者は急ブレーキング時に細心の注意が必要でしたが、ABSによって、安全性が飛躍します。ABSはブレーキングの概念そのものを、止まる行為そのものから、車両自体の安定性へと進化させた技術でもあります。

ABS 試験の様子

ABS 試験の様子(上)

車両の横滑りやアンダーステア、オーバーステアを各種センサーが検知すると、エンジントルクや各輪のブレーキを自動制御して安定走行を支援するエレクトロニック・スタビリティ・プログラム(ESP®)。状況に応じて特定の車輪に制動を加えることで、車両を意図した進路へと復帰させます。通常の運転状況はもとより、雨や雪などの厳しい走行状況においても、車の横滑りやスピンを防ぐため、安心してドライビングができます。また、カーブダイナミックアシストは、きめ細かく制御された各輪へのトルク配分により、ハンドリングに違和感を与えることなく正確に車両姿勢を制御。安全性のみならず、俊敏かつスポーティな走行性能を実現します。

ESP 試験の様子

ESP 試験の様子

自動車の安全性は、「事故を防ぐこと」と「事故の被害から人を守ること」という二つの思想によって構成されてきました。2002 年、メルセデスはPRE-SAFEを通じてこの二つを結びつけ、「事故が起こる前から乗員を守る」という、より包括的な安全コンセプトを提示します。PRE-SAFEは、衝突の危険を検知した段階で乗員保護を先行して作動する予防安全システムで、前席のシートベルトテンショナーが拘束力を高め、助手席はセーフティポジションへ移動。サイドウインドウなどを自動的に閉じることで、異物の侵入や乗員の車外放出による負傷リスクを低減します。さらに衝撃音が発生する直前、スピーカーから逆位相の音を発する「PRE-SAFEサウンド」によって耳小骨の防御反射を誘発し、聴覚への衝撃を和らげます。PRE-SAFEは、事故そのものを回避するだけでなく、「直前の瞬間」まで乗員を保護する統合的安全思想を象徴する技術です。

PRE-SAFEイメージ

PRE-SAFEイメージ(上)

PRE-SAFE

PRE-SAFE(上)

PRE-SAFEサウンド

PRE-SAFEサウンド(上)

かつて事故防止は、ドライバーが運転しやすく疲れにくいクルマづくりに主眼が置かれていました。しかし交通事故ゼロを目指す現代では、クルマ自体がドライバーのミスを補い、危険を予測して回避する役割まで求められています。そのためには周囲の車両や歩行者、車
線、障害物といった状況を常に把握し、瞬時に判断・反応できることが不可欠です。メルセデスは、レーダーセンサーとカメラを組み合わせた先進予防安全システム「インテリジェントドライブ」によって、事故の危険から乗員と車両を守る取り組みを続けてきました。周囲を捉える「目」としてのカメラと、対象物との距離を測る「耳」としてのレーダーが状況を高精度に把握し、ステアリングアシストや緊急ブレーキ等のシチュエーションで、ドライバーを的確にサポートします。事故の予防と運転負担の軽減を同時に実現し、走りに確かな安心感をもたらします。

インテリジェントドライブ

インテリジェントドライブイメージ(上)

アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック&アクティブステアリングアシスト

アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック&アクティブステアリングアシストイメージ(上)

アクティブブラインドスポットアシスト

アクティブブラインドスポットアシストイメージ(上)

1886年、カール・ベンツが生み出したパテントモトールヴァーゲン。その一台から始まった自動車生誕は、単なる移動手段の誕生ではなく、社会構造・経済活動・人々の生活様式を変える革命でした。そして140年を迎えた今も、メルセデス・ベンツは一貫してアクティブセーフティ(事故回避)、パッシブセーフティ(衝突保護)、予防安全(事故前保護)を進化させ続けています。ABSは「止まる安全」を確立し、ESPは「曲がる安全」を支え、PRE-SAFEは「事故直前から守る安全」を実現。そしてインテリジェントドライブは、ドライバーを支援しながら事故ゼロを目指す未来へと歩みを進めています。メルセデス・ベンツの歴史とは、単に高級車メーカーの歴史ではなく、“人を守る技術を進化させ続けてきた140年の実績”です。自動車生誕から続く安全思想は、これからも次の世代へと受け継がれていくことでしょう。
  • 掲載内容は(独)メルセデス・ベンツ、メルセデス・ベンツ日本合同会社の公式資料、発表情報を元にした内容です。
  • 掲載内容はあくまで参考です。見解により発表時期や数値等が異なる場合があります。
  • 写真は欧州仕様及びイメージを含む場合があります。
  • 本記事で紹介する内容は、調査時点(2026.01)の内容で、現在と異なる場合があります。

メルセデス・ベンツ天王寺

06-6772-0925

メルセデス・ベンツ天王寺の外観

メルセデス・ベンツ北大阪

06-6190-3000

メルセデス・ベンツ北大阪の外観

メルセデス・ベンツ堺北

072-221-0440

メルセデス・ベンツ堺北の外観

メルセデス・ベンツ伊丹

072-785-1055

メルセデス・ベンツ伊丹の外観

メルセデス・ベンツ北大阪
サーティファイドカーセンター

06-6384-3322

メルセデス・ベンツ北大阪 サーティファイドカーセンターの外観

メルセデス・ベンツ伊丹
サーティファイドカーセンター

072-784-8800

メルセデス・ベンツ伊丹 サーティファイドカーセンターの外観

メルセデス・ベンツ天王寺

大阪府大阪市天王寺区生玉寺町3-2

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メルセデス・ベンツ天王寺の外観

メルセデス・ベンツ北大阪

大阪府吹田市泉町2-45-5

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メルセデス・ベンツ北大阪の外観

メルセデス・ベンツ堺北

大阪府堺市堺区大浜南町3-2-3

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メルセデス・ベンツ堺北の外観

メルセデス・ベンツ伊丹

兵庫県伊丹市鴻池2-1-31

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メルセデス・ベンツ伊丹の外観

メルセデス・ベンツ北大阪
サーティファイドカーセンター

大阪府吹田市芳野町17-5

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メルセデス・ベンツ北大阪 サーティファイドカーセンターの外観

メルセデス・ベンツ伊丹
サーティファイドカーセンター

兵庫県伊丹市昆陽7-28

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メルセデス・ベンツ伊丹 サーティファイドカーセンターの外観