【調査結果①】メルセデスのEVユーザー116名に聞いた“充電”の実態。コラム電気自動車（EV）

2025.11.24

全店舗

街で見かける機会が増えた電気自動車（EV）。「充電が面倒そう」「航続距離が不安」と感じる方も多い一方で、実際のユーザー評価はどうなのでしょうか？当社（株式会社シュテルン天王寺）が実施した「EVユーザーアンケート調査2025」（有効回答：116件）から、今回は「充電」に関する実態をわかりやすく整理しました。結論としては、“普段使いの多くは『自宅充電で十分』”であり、外での充電は「旅行や遠出などの稀なケース時の補給電」として使われる場合が多いことが分かりました。多くの内燃機関ユーザーにおいても電気自動車（EV）への代替が可能です。

●この記事のポイント

持ち家（戸建て）：86％、そのうち自宅充電器設置率は89％。→ 自宅充電が主流。
自宅充電の頻度：月1～5回が最多（52件）。→ 毎日充電は不要なケース多数。
外充電（普通充電）行わない：71％（83件）。→ 自宅充電がある為不要なケース多数。
外充電（急速充電）行わない：49％（57件）。→ 使う人でも月1～3回程度。
外充電の充電契約（カード/プラン）何も契約していない：53％。→ 自宅充電で賄えるため、外充電用カード/プランに加入しない傾向。
今後もEVに乗りたいと答えた割合：81％→大多数がEV利用に満足。

●記事内容

EVユーザーアンケート調査2025概要
回答者データ（自動車保有台数（世帯）・住居形態・充電器/太陽光発電の設置状況）
EV利用状況（利用用途・利用頻度・走行距離）
充電の利用状況（自宅充電・外充電・外充電の充電契約）
内燃機関と比べた利便性
今後のEV購入意向

●EVユーザーアンケート調査2025概要

調査名	EVユーザーアンケート調査2025
調査方法	郵送調査（回答方法：郵送/WEB）
調査対象	当社（株式会社シュテルン天王寺）でEVモデル（PHEVを除く）をご購入いただいた世帯のうち、オーナーご本人もしくは、EVを日頃利用されているユーザー
有効回答数	116回答

●回答者データ

◎世帯の乗用自動車保有台数

2台所有の世帯〈46回答〉が最も多く、その次に1台所有〈38回答〉、3台所有〈19回答〉の順の結果となった。この結果から、EVを内燃機関車等と併用している世帯が最も多いことが考えられる。また、EVのみの世帯（1台所有）も2番目に多いことがわかる。

◎EV購入経験台数

1台〈88回答〉が最も多く、その次に回答が多かった2台〈22回答〉とは大きな差がある。中には3台以上〈合計6回答〉も存在する。回答者の多くがはじめてのEV購入であることがわかる。また既にEV購入をリピートしている方がいることもわかる。

◎住居形態と設備設置状況

回答者の住居形態は、持ち家（戸建て）〈100回答〉が最も多く、全体の86％を占める。その内、自宅充電器を設置している方が89％〈89回答〉、太陽光発電を設置している方が38％〈38回答〉、蓄電池を設置している方が6％〈6回答〉の結果となった。持ち家（戸建て）以外の住居形態は少なく、EVとの相性は持ち家（戸建て）の住居形態が最も良いことが考えられる。

●EVの利用状況

◎EV利用頻度

週7日〈33回答〉が最も多く全体の28％を占めるが、週6日～1日の利用者も一定数おり、全体的に回答が分散する結果となった。このことからEVはユーザーの利用頻度を問わず、それぞれのライフスタイルに柔軟に適応していることが考えられる。

◎EV 1日あたりの走行距離

11～30km/日〈36回答〉が最も多く、次に10km以下/日〈25回答〉、31～50km/日〈25回答〉と続く回答結果となった。一般的に1日あたりの走行距離は約20km前後とされており、このことからもEVユーザーの1日あたりの走行距離は、内燃機関車とあまり差がないのではないかと考える。

◎EV １カ月あたりの走行距離

201～600km/月〈35回答〉が最も多く、601～1,000km/月〈32回答〉、200km以下/月〈25回答〉と続く結果となった。国土交通省の公式データ（2004年）によると日本における年間平均走行距離は自家用車で10,575kmとなっており、最も回答が多かった201～600km/月の中央値400km/月から試算した年間走行距離4,800km と比べると、約半分ということになるが、近年のソニー損害保険株式会社による詳細な調査結果（2025年）* では、年間平均走行距離は6,728kmと報告されており、2番目に回答が多かった601km～1,000km/月の中央値800km/月から試算した年間走行距離9,600kmと併せて考えると、多くのEVユーザーの年間走行距離は、自家用車全体の年間平均走行距離に対して、それほど差はないとも言える。（*出典元サイト： https://www.sonysonpo.co.jp/auto/ ）

◎直近３ヶ月のEV利用日における最長走行距離

301km以上/日〈20回答〉が最も多いが、全体的に回答が分散する結果となった。先の項目「1日あたりの走行距離」においては、50km以下/日の回答が全体の74％を占めていたことと併せて考えると、頻度の少ない旅行や遠出によりEV利用日における最長走行距離が伸びたものと考えられる。

●充電の利用状況

◎１カ月あたりの自宅充電回数（自宅充電器有り）

自宅に充電器がある回答者の１カ月あたりの自宅充電回数は、1～5回/月〈52回答〉が最も多く、その次に6～10回/月〈27回答〉が続く結果となった。それ以外の回答も少数ではあるが見受けられる。先の項目「EVの利用状況」の結果と併せると、多くのユーザーは毎日の充電までは必要がないことが言える。

◎１カ月あたりの外充電（普通充電）回数

外充電の普通充電は行わない〈83回答〉が最も多く、全体の71％を占める。1～5回/月〈28回答〉も多少あり、その他は極少数の結果となった。商業施設やコンビニ等で見かける3～6kw等の普通充電の外充電利用は多くの方が利用しないあるいは、利用しても稀ということが言える。

◎１カ月あたりの外充電（急速充電）回数

外充電の急速充電は行わない〈57回答〉が最も多く、全体の49％を占める。1～3回/月〈40回答〉が次に多く、その他は少数の結果となった。EVユーザーの大半が自宅の充電で事足りる為、外充電を利用しないと考えられる。また、上記の利用状況からわかるように、頻度の少ない旅行や遠出の際に、外充電の急速充電を利用しているのではないかと考えられる。

◎外充電の充電契約（カード/プラン）

何も利用していない〈64回答〉が最も多く全体の53％を占める。次にMercedes me Chargeカード*（無料期間を含む）〈49回答〉が多い結果となった。上記の外充電の利用状況の結果と合わせると、多くのEVユーザーは自宅充電で事足りており、外充電を使用しないあるいは利用しても月に数回の為、Mercedes me Chargeカード*の無料期間（登録後1年間）が終了すると充電契約を更新していないことが考えられる。（*Mercedes me Chargeカードは名称変更し、現在MB CHARGE Public 充電カードに名称を改めました。なおカードには月額基本料5,720円が必要です。但し、1年目は月額基本料と急速充電費用が無料です。）

●総合評価

◎EVは内燃機関車に比べて不便に感じるか

不便に感じない〈31回答〉が最も多く、あまり不便に感じない〈27回答〉、まったく不便に感じない〈23回答〉と続く結果となった。中立とネガティブを除いたポジティブ回答が全体の70％を占める。内燃機関との給電（給油）の違いで、旅行や遠方時に不便を感じていることはあるが、不便の程度は小さいと言える。

◎今後もEVに乗りたいと思うか

乗りたい〈45回答〉が最も多く、次にとても乗りたい〈38回答〉、すこし乗りたい〈12回答〉、どちらでもない〈12回答〉が続く結果となった。中立とネガティブを除いたポジティブ回答が全体の81％を占める。EVユーザーの多くが今後もEVに乗りたいと考えていると言える。

まとめ

電気自動車（EV）において、街中の充電ステーションの数や航続距離に対する不安が先行し、「電気自動車はまだ早い」「自分たちには合わない」と考えられている内燃機関車ユーザーが多く存在します。しかし、実際の電気自動車（EV）利用において、特に普段使いでは多くのユーザーが自宅での充電で十分に賄うことができます。外充電は旅行や遠出の際にごく一部利用するという声も多くありました。EVの利用状況の結果を見ても、様々なライフスタイルにおいて、電気自動車（EV）は適応が可能です。そして、なによりも電気自動車（EV）ならではのライフスタイルが魅力的です。例えば、エンジン音のないEVは、車内の会話がいつもより弾んだり、後席乗員との会話においてもストレスが少ない。早朝深夜の帰宅時に家族やご近所に気をつかうことなく出発・駐車できる。通勤時・帰宅時にガソリンスタンドによる手間がない。ガソリンの臭いがないから子供が嫌がらない。等々。電気自動車（EV）ならではの暮らしを考えてみてはいかがでしょうか。今後の複数回のコラムにて、「EVユーザーアンケート調査2025」から得られた電気自動車（EV）ユーザーのライフスタイル等もご紹介して参ります。