誕生以来、世界中のビジネスエグゼクティブから支持されてきたメルセデス・ベンツEクラス。もとをたどるとその始まりはおおよそ1950年頃まで遡ります。Eクラスはその長きにわたる歴史の中で、快適性・安全性・走行性能のすべてにおいて「時代の最先端」を体現してきました。本記事では、Eクラスの歴史とその進化の歩みを振り返り、Eクラスが選ばれる理由について、探求します。
記事内容
- Eクラスのルーツ - 戦後から続くミディアムクラスの伝統
- Eクラス誕生 - 「124モデル」とともに確立された名称
- 革新を重ねたEクラスの進化 - 「210〜213モデル」
- 最新型「214モデル」 - デジタルとラグジュアリーの融合
- Eクラスが選ばれ続ける理由
● Eクラスのルーツ ― 戦後から続くミディアムクラスの伝統
Eクラスの起源は、1950年頃に登場した「W120/W121」系にまで遡ります。当時はまだ「Eクラス」という名称は存在せず、「ミディアムクラス」として位置づけられていました。堅牢なボディと快適な乗り心地は、戦後復興期のドイツで“信頼の象徴”とされ、多くの企業や公的機関に採用されました。この時代に築かれた「耐久性」と「信頼性」という価値観が、後のEクラスにも受け継がれています。
● Eクラス誕生 - 「124モデル」とともに確立された名称
1984年に登場した「124モデル」は、のちに“Eクラス”の礎となったモデルで、1993年のマイナーチェンジで正式に「Eクラス」という名称が与えます。セダン(W124)、ワゴン(S124)、クーペ(C124)、そしてEクラスの歴史においてはじめてカブリオレ(A124)がラインアップされました。124モデルのデビュー当初はEの文字は車両クラスの割り当てを示し、Eの文字の前にエンジンサイズを示す3桁の数字が記されていました。このモデルでは、空力を意識した流線型デザインや、安全性を高める新構造ボディなど、当時の技術革新を多数採用。高い静粛性と安定感ある走行性能は、現在でも“完成度の高い一台”として多くのファンに愛されています。
・210モデル(1995〜2002頃)
楕円形のツインヘッドランプを備えた4灯スタイルを導入。このデザインは「メルセデスの歴史上、最も大胆なスタイリングの飛躍」と評され、著名なデザイン賞も与えられました。
・211モデル(2002〜2009頃)
ボディデザインに高強度の金属板合板を駆使し、一貫した軽量構造を採用。フロントに設けた大きなクラッシャブルゾーンにもより、このEクラスは世界で最も厳格な安全テストに合格します。
・212モデル(2009〜2016頃)
211モデルまでのツインヘッドランプが完全に再解釈され、ヘッドランプはまるでフェンダーの一部として精密に形作られた宝石のような印象を醸し出します。
・213モデル(前期)(2016〜2020頃)
5代目となる213モデルでは、自動運転技術の発展を背景に、数々の運転支援機能を搭載。アクティブディスタンスアシストディストロニックやアクティブレーンチェンジングアシスト等の機能もラインアップされ、Eクラスは“次世代の快適性”へと進化しました。
・213モデル(後期)(2020〜2023頃)
メルセデス・ベンツのデザイン思想「センシュアル・ピュリティ(官能的純粋)」の解釈を更に広げ、よりスポーティでダイナミックなデザインに一新。対話型インフォテインメントシステム「MBUX」では、日本で販売される乗用車としては初めてAR(拡張現実)技術が導入されました。
● 最新型「214モデル」 - デジタルとラグジュアリーの融合
2023年に登場した最新型Eクラス(214モデル)は、伝統の快適性を継承しつつ、デジタル時代にふさわしい進化を遂げました。MBUXスーパースクリーンによる没入感あるインターフェース、AIを活用した車内パーソナライズ機能、さらに48Vマイルドハイブリッドシステムの採用により、上質な走行と環境性能を両立しています。いわばEクラスは、「人とクルマの新しい関係性」を提案する存在へと進化したのです。
● Eクラスが選ばれ続ける理由
Eクラスが長年にわたり高い支持を集めてきた理由は、堅牢なボディ構造、耐久性に優れたパワートレイン、精緻に作りこまれたインテリア。そのすべてが長距離移動やビジネスユースにおいても揺るぎない安心感をもたらす「信頼の象徴」であったこと。そして、新たなデザインや機能を積極的に採用し、「革新の象徴」となってきたことです。4灯ヘッドライトやマイルドハイブリッド技術、MBUXなどデジタル化/電動化の先駆けとして常に先陣をきってきたEクラス。このバランスこそが、Eクラスを“エグゼクティブカーの理想形”たらしめています。
まとめ
メルセデス・ベンツEクラスの歴史は、まさに自動車の進化の歴史です。時代の変化に合わせながらも、変わらない哲学。伝統と革新。メルセデス・ベンツが掲げる「The best or nothing.(最善か無か。)」という哲学を、最も体現してきたモデルこそEクラスと言えるでしょう。
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- 掲載している内容は(独)メルセデス・ベンツの公式資料、発表情報を元にした内容です。
- 掲載している内容はあくまで参考です。見解により発売時期等が異なる場合があります。
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- 本記事で紹介する内容は、調査時点(2025.10)の内容で、現在と異なる場合があります。