「自動車は安全な乗り物でなければならない。」———メルセデス・ベンツは長年にわたり、実際に発生した事故の調査や最先端の衝突試験、安全設計により、人を守る車づくりを進化させてきました。この記事では、メルセデスのこれまでの安全性向上への取り組みや最新機能をご紹介します。
記事内容
- 事故調査
- 衝突試験
- 人を守る車体設計
- 先進安全機能
- 2024年ユーロNCAPでEクラスが受賞
事故調査
メルセデスは1969年以来、50年以上にわたりメルセデス車が関わった重大事故を調査しており、その調査件数は累計5,000件以上にのぼります。事故調査部門は、実際に発生した交通事故を詳細に分析し、その原因や乗員・歩行者への衝撃、車両の変形の仕方など、様々なデータを収集しています。中でも、実際の事故で頻繁に起こるオフセット衝突と呼ばれる車体の一部だけが衝突した事故を分析し、車体設計や安全装備の改良に活かしています。メルセデスが実施したオフセット衝突を想定した試験は、現在公的機関の衝突試験でも採用され、安全評価の指針となっています。このように実際の事故調査から得られた学びは、エアバッグやシートベルトの拘束システムの制御等様々な技術に反映されてきました。
衝突試験
メルセデスは1959年、衝突試験を世界で初めて実施しました。車両を正面から障害物に衝突させ、乗員および車体の変形状態を計測。これが現在の衝突試験による安全評価の先駆けとなりました。現在、多数の衝突試験が日常的に行われており、メルセデスは年間で最大約900回の衝突試験、さらに自動車のシートやヘッドレストの保護性能評価のためのスレッド試験を約1,700回実施しています。試験には様々な方向からの衝突だけでなく、歩行者や自転車との接触試験など多様なシナリオが含まれ、現在では40種類もの衝突試験を行っています。また、メルセデスは2024年、世界初となるX線を用いた衝突試験を実施し、これまで見ることができなかった車両部品の変形やダミー人形の身体への影響を可視化することを可能にしました。このように多様な衝突試験を実施することで、メルセデスは安全性を高め続けてきました。
人を守る車体設計
メルセデスは長年にわたる研究と試験により、乗員や歩行者を守るための車体構造を発展させてきました。その代表的な特徴を紹介します。
高強度ボディシェル
ボディシェル(車体からボンネット、ドア、トランクなどの開閉部を除いたもの)の多くに高剛性鋼板を採用。これにより、ハンドリング性能や走行安定性が高まると同時に、万一の衝突時には乗員空間をしっかりと守ります。
衝撃吸収ボディ
高張力鋼板を多用しており、衝突時にはクラッシャブルゾーンが衝撃を車全体に分散させながら吸収し、キャビンへの伝達を大幅に緩和することにより、高い乗員保護性能を確保しています。
アクティブボンネット
歩行者との接触を検知すると瞬時にボンネットを持ち上げ、空間を拡げることで歩行者の受ける衝撃を緩和します。更に、アルミニウム等の補強材をボンネットの内側に使用することにより、衝突時の負荷を低減します。
先進安全機能
メルセデスは衝突時の保護だけでなく、事故そのものを未然に防ぐための先進運転支援システムの開発にも力を入れてきました。その代表的な機能を紹介します。
アクティブブレーキアシスト
前方の車両や歩行者を検知し、必要に応じて自動ブレーキを作動。追突や歩行者との接触を回避または被害を軽減します。
アクティブレーンキーピングアシスト
車線を越えたと判断するとステアリングやブレーキ操作が作動し、車線内走行を維持。車線逸脱による事故を未然に防ぎます。
ブラインドスポットアシスト
車線変更時に死角の車両をレーダーで検知し、ドアミラーの警告灯や警告音で注意を促すことにより、接触事故を防ぎます。
2024年ユーロNCAPでEクラスが受賞
これらの設計と安全性は、公的機関による安全評価によって裏付けられています。ユーロNCAPは、ヨーロッパで販売される新型自動車の衝突安全性能や先進運転支援機能を総合的に評価する機関です。2024年、メルセデス・ベンツの新型EクラスはユーロNCAPにおいて「Best Performer」に選出されました。ユーロNCAPは自動車の安全性を「成人乗員保護」「子供乗員保護」「歩行者保護」「安全支援技術」という4つの分野で評価します。Eクラスはこれらすべてで優秀なスコアを獲得し、2024年にテストされた車両の中で最も安全な車として評価されました。この評価の高さが、メルセデスの長年の安全性能への研究成果を裏づけています。
まとめ
メルセデス・ベンツは、乗員だけでなく歩行者を含むすべての人を守るため、事故調査と衝突試験を重ね、その安全性能を高めてきました。実際の事故から得た知識と多様な試験による検証を基盤に、車体構造や乗員・歩行者を守る技術を進化させています。こうした取り組みは国際的にも高く評価され、日々のドライブに確かな安心をもたらします。これからもメルセデスは、安全を最優先とする開発を続け、人と社会を守る技術を磨き続けます。
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- 本記事で紹介する内容は、調査時点(2025.09)の内容で、現在と異なる場合があります。
- これらの機能、装備や紹介内容は車種やモデル、オプションにより装着の有無、オプション設定の有無、数値が異なります。詳細は販売店までお問合せください。
- 運転支援装備はドライバーの安全運転を前提としたシステムで、事故被害や運転負荷の軽減を目的としています。このシステムは走行中の状況により、認識性能・制御性能に限界がありますので、システムだけに頼った運転は行わず、安全運転を心がけてください。ご使用の際には必ず取扱説明書をお読みください。