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マイバッハのエンブレム

マイバッハというブランドの起源は、100年以上前にまでさかのぼります。ヴィルヘルム・マイバッハ(Wilhelm Maybach)が高級車ブランドの礎を築き、その名は瞬く間に伝説となりました。何十年にもわたり、マイバッハは最高峰の品質とラグジュアリーを象徴してきました。精緻なクラフトマンシップ、選び抜かれた素材、卓越したデザイン。それらすべてを体現するブランドです。本記事では、マイバッハの誕生から歴代モデルについて紹介いたします。

  • マイバッハ社の生誕
  • ラグジュアリーブランドの幕開け
  • ブランドの休眠と復活
  • 「メルセデス・マイバッハ」としての再スタート
  • Movie「Wellcome to Beyond」

ヴィルヘルム・マイバッハ/カール・マイバッハ

マイバッハ社は、ゴットリープ・ダイムラーとともにエンジン開発を行っていたヴィルヘルム・マイバッハが1909 年に息子であるカール・マイバッハとともに設立しました。ダイムラー社の主任技師だったヴィルヘルムは1901年にメルセデス35 PSを設計。1909年にはツェッペリン伯爵のために会社を設立します。当初は飛行船ツェッペリン号に搭載するV 型12 気筒エンジンの製作を行うルフトファールツォイク・モトーレンバウ社(Luftfahrzeug-Motorenbau GmbH)として事業を行っていました。後に社名をマイバッハ・モトーレンバウ社(Maybach-Motorenbau GmbH)に変更します。マイバッハのエンブレムの2つのMは“Maybach-Motorenbau GmbH”の頭文字を意味しています。

Mercedes 35PS

マイバッハエンブレム

マイバッハW3

同社は航空機のエンジン製造から自動車のエンジン製造、更には高級車の開発へと舵を切り、やがてドイツ貴族や大企業の重鎮たちを顧客に抱えることでその名声を確立します。代表的なモデルには以下のような名車があります。
 

4輪ブレーキ(ドイツ車初)や、プラネタリーギアボックスと6気筒エンジンの組み合わせ、豪華なウッドや本革張りの室内など、その設計/デザインは当時の既成概念を打ち破るものでした。このクルマはあたかも走る芸術作品のように大衆を魅了しました。

Maybach W3

12気筒エンジン(ドイツ車初)、8リッターの排気量を誇るこのモデルは、極めて高額だったことからも、「走る宮殿」と称されました。最高級のレザーやウッドパネルを使用し、応接間のような空間がリアシートに広がっています。ツェッペリンという名は、当時ドイツの誇りであった飛行船ツェッペリン号に由来しています。マイバッハ社はもともと飛行船や航空機用エンジンを製造していた背景もあり、「地上の飛行船」ともいえるような名を冠したこの車には、ブランドのプライドが色濃く投影されていました。ボンネットマスコットには、マイバッハのエンブレムと共に“12”の数字がほどこされており、当時のパワーユニットの最高峰を表していました。

Maybach Zeppelin DS 8

Maybach 57/62

第二次世界大戦後、ドイツの再建の中で、マイバッハの自動車製造は中断され、ブランドは長きにわたって休眠状態に入ります。そこから半世紀以降の沈黙を破り、2002年にダイムラー社(現:メルセデス・ベンツ・グループ)が「Maybach」ブランドを再興します。その時、発表されたのでが、「Maybach 57(参考価格¥48,500,000~*)」「Maybach 62」(参考価格¥55,500,000~*)」という超高級セダンでした。モデル名に冠した数字は車体の全長(5,700mm、6,200mm)を意味しており、プライベートジェットのような広さと静寂性、豪華さを追求したモデルでした。さらにその後、オープン仕様の「ランドレー(参考価格¥142,000,000~*)」を発表します。やがて、マイバッハはメルセデスの一翼を担うブランドとして統合され、同社の中で受け継がれたラグジュアリーとクラフトマンシップを今に伝えています。

*参考価格は発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。

Mercedes-MayBach GLS

創設以来美しいスタイルと贅を尽くした高級感で人々を魅了してきたマイバッハが、メルセデス・ベンツブランドの傘下で、「究極のエクスクルーシブ性」を追求する威厳と風格を備えたブランドとしてまったく新しく生まれ変わりました。その物語はSクラスベースの「Mercedes-Maybach S-Class」から始まり、大型SUV「Mercedes-Maybach GLS」、マイバッハ初の電動モデル「Mercedes-Maybach EQS SUV」と次章へと繋がっていきます。

●Mercedes-Maybach S 550
4.7ℓ、V8直噴ツインターボ
(参考価格:¥22,000,000~*)
●Mercedes-Maybach S 600
6.0ℓ、V12ツインターボ
(参考価格¥26,000,000~*)

*参考価格は発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。
 

Mercedes-Maybach S-Class

6.0ℓ、V12ツインターボ
(参考価格¥88,000,000~*)

全長6,500mm、ホイールベース4,418mm、全高1,598mm。完全受注生産モデルで日本市場向けモデルの生産台数は僅少。

*参考価格は発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。

Mercedes-Maybach S 600 プルマン

6.0ℓ、V12ツインターボ
(参考価格:¥44,200,000~*)

4シーターオープンモデルのMercedes-AMG S 650 カブリオレをベースに、専用デザインを施し、クラシカルで美しいプロポーションに仕上げられたモデル。世界限定300台(日本限定4台)。

*参考価格は当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様等により価格は変わります。

Mercedes-Maybach S 650 カブリオレ

●Mercedes-Maybach S 560
4.0ℓ、V8直噴ツインターボ
(参考価格:¥22,530,000~*)
●Mercedes-Maybach S 650
6.0ℓ、V12ツインターボ
(参考価格¥27,610,000~*)

*参考価格は発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。
 

Mercedes-Maybach S-Class

4.0ℓ、V8直噴ツインターボ
(参考価格:¥27,290,000~)

メルセデス・ベンツのSUVのハイエンドGLSをベースに、マイバッハとしてふさわしいプレステージ感あふれるデザインとクラフトマンシップにより仕上げられた素材を随所に採用した究極のラグジュアリーSUVを体現するモデル。4人乗りが標準。

*参考価格は発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。
 

Mercedes-Maybach GLS 600 4MATIC

4.0ℓ、V8直噴ツインターボ
(参考価格:¥28,270,000~*)

マイバッハ100周年を記念した世界限定100台(日本限定31台)の特別仕様車。外装色にハイテックシルバーとノーティックブルーを組み合わせたツートーンペイントと、専用デザインの23インチダークプラチナムディッシュプレートホイール(鍛造)を採用。

*参考価格は発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。
 

Mercedes-Maybach GLS 600 4MATIC Edition100

6.0ℓ、V12ツインターボ
(参考価格:¥42,000,000~*)

マイバッハ100周年を記念した世界限定100台(日本限定6台)の特別仕様車。外装色にハイテックシルバーとノーティックブルーを組み合わせたツートーンペイントと、専用デザインの20インチダークプラチナムグロスディッシュホイール(鍛造)を採用。

*参考価格は発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。

Mercedes-Maybach S 680 4MATIC Edition 100

6.0ℓ、V12ツインターボ
(参考価格:¥56,000,000~*)

Mercedes-Maybach S 680 4MATICをベースに、イタリアファッションブランド「オフホワイト」の創設者であり、ルイ・ヴィトンのアートディレクターを務めた、故ヴァージルアブロー氏とのコラボレーションモデル「Project MAYBACH」をモチーフにしたモデル。砂漠をイメージしたコロラドベージュとブラックを基調とした斬新なエクステリアが特徴。世界限定150台(日本限定13台)。

*参考価格は発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。

Limited Edition Maybach by Virgil Abloh(2023年)

6.0ℓ、V12ツインターボ
(参考価格:¥63,000,000~*)

Mercedes-Maybach S 680 4MATICをベースに、デザイナーが顧客のために完全オリジナル衣装をデザインする高級仕立服のHaute Couture(オートクチュール)にインスパイアを受けた特別仕様車。世界限定150台(日本限定3台)。外装はライトローズゴールドとノーティックブルーのツートーンペイント、ホイールはノーティックブルーペイントの20インチディッシュホイール(鍛造)。

*参考価格は発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。

Mercedes-Maybach S-Class Haute Voiture

4.0ℓ、V8直噴ツインターボ
(参考価格:¥32,200,000~*)

フロントエプロンに、マイバッハパターンをあしらったエアインテークを設け、クロームのフロントバンパーと相まって、洗練された高級感を演出。通常のGLSの乗車定員が7名に対して、このモデルは定員5名*が標準。(*ファーストクラスPKG装着時は4名)

*参考価格は発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。

Mercedes-Maybach GLS 600 4MATIC

4.0ℓ、V8ツインターボ
(参考価格:44,000,000~*)

外装色にオニキスブラックとモハーベシルバーを組み合わせたツートーンペイント。ボンネットマスコットやフロントグリル、ドアハンドル、Cピラーやトランクのマイバッハエンブレムなどのクロームパーツをダークシャドウグロスパーツに変更した日本限定30台の特別仕様車。

*参考価格は発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。

Mercedes-Maybach S 580 Night Edition

永久磁石同期モーター2基(フロント・リア)
(参考価格:¥27,900,000~*)

メルセデス・マイバッハブランドから初の電動ラグジュアリーSUVモデル。前後にモーターを搭載し、最大出力658PS(484kW)、最大トルク955N・m。バッテリー容量は118kWhで、WLTCモード一充電走行距離は640kmになる。

*参考価格は発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。

Mercedes-Maybach EQS 680 SUV

4.0ℓ、V8ツインターボ
(参考価格:¥41,150,000~*)

オブシディアンブラックとモハーベシルバーを組み合わせたツートーンペイントの日本限定50台の特別仕様車。随所にダークシャドークロームパーツやブラックパーツなどを採用し、精悍なエクステリアに仕上がっています。

*参考価格は発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。

Mercedes-Maybach GLS 600 Night Edition

4.0ℓ、V8ツインターボ
(参考価格:¥36,500,000~*)

レッドアンビエンス(オブシディアンブラックとMANUFAKTURガーネットレッド)とホワイトアンビエンス(オブシディアンブラックとMANUFAKTURオパリスホワイトマグノ)の2モデル。受注生産方式の特別仕様車。

*参考価格は発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。

Mercedes-Maybach SL 680 Monogram Series

Gallery

Mercedes-Maybach S-Class(2015年)
Mercedes-Maybach S-Class(2015年)
Mercedes-Maybach S 600 プルマン(2016年)
Mercedes-Maybach S 600 プルマン(2016年)
Mercedes-Maybach S 650 カブリオレ(2017年)
Mercedes-Maybach S 650 カブリオレ(2017年)
Mercedes-Maybach S 650 カブリオレ(2017年)
Mercedes-Maybach S-Class(2017年)
Mercedes-Maybach S-Class(2017年)
Mercedes-Maybach GLS 600 4MATIC(2021年)
Mercedes-Maybach GLS 600 4MATIC(2021年)
Mercedes-Maybach GLS 600 4MATIC Edition100(2022年)
Mercedes-Maybach GLS 600 4MATIC Edition100(2022年)
Mercedes-Maybach S 680 4MATIC Edition 100(2022年)
Mercedes-Maybach S 680 4MATIC Edition 100(2022年)
Limited Edition Maybach by Virgil Abloh(2023年)
Limited Edition Maybach by Virgil Abloh(2023年)
Mercedes-Maybach S-Class Haute Voiture(2023年)
Mercedes-Maybach S-Class Haute Voiture(2023年)
Mercedes-Maybach GLS 600 4MATIC(2023年)
Mercedes-Maybach GLS 600 4MATIC(2023年)
Mercedes-Maybach S 580 Night Edition(2024年)
Mercedes-Maybach S 580 Night Edition(2024年)
Mercedes-Maybach EQS 680 SUV(2024年)
Mercedes-Maybach EQS 680 SUV(2024年)
Mercedes-Maybach GLS 600 Night Edition(2024年)
Mercedes-Maybach GLS 600 Night Edition(2024年)
Mercedes-Maybach SL 680 Monogram Series(2025年)
Mercedes-Maybach SL 680 Monogram Series(2025年)
Mercedes-Maybach SL 680 Monogram Series(2025年)
Mercedes-Maybach SL 680 Monogram Series(2025年)

Movie

ブランドのレガシーを継承する唯一無二のスタイルと革新的な技術を高い次元で融合するメルセデス・マイバッハ。

マイバッハは、単なる高級車ブランドではなく、「クラフトマンシップと技術が融合した芸術作品」としての自動車の理想形を100年以上にわたって追求してきたブランドです。そのルーツは航空機エンジン開発に始まり、デザインや仕様において当時の既成概念を打ち破ったW3、“走る宮殿”と呼ばれたZeppelin DS 8、そして現代では、メルセデス・ベンツの技術と融合し、電動化時代にもラグジュアリーの本質を見失うことなく、新たな頂点を築き続けています。マイバッハが提供するのは単なる「移動手段」ではありません。静けさに包まれた後席の時間、素材に込められた職人の美意識、そして乗る者にふさわしい威厳。それらすべてを一台に集約した、「本物を知る人のための車」なのです。マイバッハとは、所有する喜びを超えた、“時を超えて継承される価値”を体現する存在。これからもそのラグジュアリーの哲学は、世界最高峰のブランドとして走り続けていくことでしょう。
  • 写真は欧州仕様及びイメージを含む場合があります。
  • 本記事で紹介する参考価格は、日本国内における発表当時のメーカー希望小売価格(税込)で、仕様や年式等により価格は変わります。また現在販売していないモデルも含みます。
  • 本記事で紹介する内容は、調査時点(2025.06)の内容で、現在と異なる場合があります。

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