2025年4月、メルセデス・ベンツは上海モーターショーに先駆けて、次世代の電動ラグジュアリーミニバンのショーカー「Vision V」を発表しました。このコンセプトモデルは、メルセデス・ベンツブランドが、今後単なる車両ではなく、移動するラグジュアリーラウンジとしての新たな体験を提供することを表明しています。本記事では「Vision V」の特徴や、メルセデス・ベンツのミニバンセグメントの未来について紹介いたします。
記事内容
- 最高の快適さを備えたプライベートラウンジ
- 未来的なデザインの革新的な高級シート
- 没入型で最高級のデジタル体験
- 360度のデジタル体験
- 革新的な美学を備えた空力的デザイン
- 新たに解釈されたフロントデザイン
●最高の快適さを備えたプライベートラウンジ
車両右側の大型で自動開閉する「ポータル」ドアと、照明付きの格納式ランニングボードが、快適で快適な後部ラウンジエリアへの容易なアクセスを提供します。インテリジェントな切替式ガラスウォールが「プライベートラウンジ」と運転席を仕切っており、ガラスは必要に応じて透明から不透明に、全体または部分的に切り替えることができます。「プライベートラウンジ」の座席エリアは、かつてないほどの広さと自由、そして安心と静けさを感じさせます。広々としたインテリアは、デザインとテクノロジーが融合した優雅さを醸し出しており、スタイリッシュでありながら意外性も兼ね備えています。
●未来的なデザインの革新的な高級シート
Vision Vに装備されたファーストクラスのような独立シートは、エレガントなラウンジチェアを彷彿とさせます。柔軟性の高いチューブクッションを採用し、独創的で未来的なデザインを特徴としています。個々のクッションは、磨き上げられたアルミニウム製の光沢のある留め具で固定されています。電動調整式シートは人間工学に基づき設計され、ファーストクラスのような快適な移動を提供します。さらに、フラットポジションまでリクライニングすることができ、乗員を更なる快適な体験へと導きます。ストリップライトとシーリングランプを備えた全周アンビエントライトは、個性的で居心地の良いリビングルームのような雰囲気を演出します。
●没入型で最高級のデジタル体験
「プライベートラウンジ」の特徴の一つは、床下に備えられた65インチの格納式シネマスクリーン(分割画面機能付き)です。乗員が乗り込み、ドアを閉めると、バーウッドとナッパレザーでデザインされたコンソールから、まるで滑りだすようにスクリーンが現れます。床の透明なスラットを通して、乗員はディスプレイが展開し、「プライベートラウンジ」エリアとコックピットを隔てる様子を眺めることができます。シネマスクリーンが動き出し、車内をかつてない没入型の体験の世界へと変貌させます。
●360度のデジタル体験
4K解像度のシネマスクリーンは、映像やゲームを比類なき鮮明さとディテールで映し出します。ドルビーアトモス(Dolby Atmos)対応のサラウンドサウンドシステムは、完璧な空間音響体験を提供します。シートに搭載されたエキサイター(振動スピーカー)を含む音響機器が、音楽を触覚体験へと昇華。ヘッドライナーとフロアに設置された7台のプロジェクターがサイドウィンドウを追加の「スクリーン」として拡張させ、デジタル360度体験を生み出します。この映像体験は、アンンビエントライトと統合することでさらに強化されます。
●革新的な美学を備えた空力的デザイン
エクステリアデザインは、メルセデス・ベンツ独自のデザイン言語であるSensual Purity“官能的な純粋さ”をさらに発展させ、新たな一歩を踏み出しました。彫刻的なフォルムは、最高水準のエアロダイナミクスを備えた革新的な美学によって特徴づけられています。オーバーハングとフロントエンドは際立って短く、サイドは特に細いウエストラインを描いています。力強く伸びやかなルーフラインは、滑らかに丸みを帯びたリアへと流れ込んでおり、この流線型のシルエットは、力強さとダイナミックな軽快さを象徴しています。
●新たに解釈されたフロントデザイン
最も視線を引きつけるデザイン要素のひとつが、未来的かつラグジュアリーな雰囲気を体現する新解釈のクローム仕上げラジエーターグリルです。従来の物理的なスリットや金属の重厚さを基調としたグリルとは一線を画し、3本の水平に走るガラス製ルーバーを採用。それぞれがLEDによって精密に照らし出される構造となっています。この3本のルーバーは単なる意匠ではなく、光の層が浮かび上がるような立体感を創出し、車両の存在感と近未来感を強調しています。さらに、クロームで縁取られたフレーム全体を取り巻くように、約200個の超小型LEDエレメントが繊細に配置されており、点灯時にはきらめく宝石のような表情を見せ、まさに“光で彫刻されたグリル”というべき仕上がりです。
まとめ
「Vision V」は、メルセデス・ベンツが提案する新しいラグジュアリーミニバンの未来像であり、移動空間の概念を大きく変える可能性を秘めています。最先端の電動プラットフォームとデジタル体験の融合により、単なる移動手段を超えた、快適でエンターテインメント性の高いモビリティを提供することを意図しています。Vision Vに採用されるバン・エレクトリック・アーキテクチャ(VAN.EA)は、モジュール式で柔軟性と拡張性に優れたアーキテクチャ。このアーキテクチャは2026年に導入される予定で、これから始まる新時代の幕開けを正に象徴するものです。
- 掲載している内容はドイツ本国の発表情報を元にした内容です。
- 写真はイメージを含む場合があります。
- 本記事で紹介する内容は、調査時点(2025.04)の内容で、現在と異なる場合があります。
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